pickleプロトコル5エラーの解決方法
問題
Python 3.7でpickleファイルを読み込もうとすると、以下のエラーが発生することがあります:
config = pickle.load(open(f"{path}/params.pkl", "rb"))
ValueError: unsupported pickle protocol: 5
このエラーは、Python 3.8で導入されたプロトコルバージョン5でシリアライズされたデータを、プロトコル5をサポートしていないPython 3.7で読み込もうとした際に発生します。
注意
Pythonのpickleプロトコルは後方互換性がありますが、前方互換性はありません。新しいバージョンで作成されたpickleファイルは古いバージョンでは読み込めません。
解決策
方法1: pickle5ライブラリの使用
Python 3.7でプロトコル5のファイルを読み込む最も簡単な方法は、pickle5
ライブラリを使用することです。
pip install pickle5
インストール後、以下のように使用できます:
import pickle5 as pickle
with open("path/to/your/file.pkl", "rb") as fh:
data = pickle.load(fh)
読み込んだデータをPython 3.7互換の形式で再保存するには:
# DataFrameの場合
data.to_pickle("path/to/protocol4.pkl", protocol=4)
# 通常のオブジェクトの場合
with open("path/to/protocol4.pkl", "wb") as fh:
pickle.dump(data, fh, protocol=4)
方法2: Pythonバージョンの統一
環境間でのPythonバージョンの不一致が原因の場合、バージョンを統一することで解決できます。
Herokuなどのクラウド環境を使用している場合は、runtime.txt
ファイルを作成してPythonバージョンを明示的に指定します:
python-3.9.2
方法3: より新しいPythonバージョンでの処理
プロトコル5のファイルを読み込めるPython 3.8+環境でファイルを変換する:
# Python 3.8+ 環境で実行
import pickle
with open("protocol5_file.pkl", "rb") as f:
data = pickle.load(f)
# プロトコル4で再保存
with open("protocol4_file.pkl", "wb") as f:
pickle.dump(data, f, protocol=4)
方法4: 特定ライブラリでの対応(stable-baselines3など)
機械学習ライブラリを使用している場合、追加の設定が必要なことがあります:
!pip install --upgrade cloudpickle pickle5
from stable_baselines3 import PPO
# カスタムオブジェクトの定義(必要に応じて)
custom_objects = {
"lr_schedule": lambda x: .003,
"clip_range": lambda x: .02
}
model = PPO.load("path/to/model.zip", custom_objects=custom_objects)
予防策
- 環境の一貫性を保つ: 開発、本番環境で同じPythonバージョンを使用する
- 明示的なプロトコル指定: pickle保存時にprotocolパラメータを明示する
- 代替格式の使用: 可能であればJSONやその他のシリアライゼーション格式を検討する
# 安全な保存方法
with open("data.pkl", "wb") as f:
pickle.dump(data, f, protocol=4) # 広くサポートされているプロトコル4を指定
まとめ
Pythonのpickleプロトコル5エラーは、バージョン間の互換性問題によって発生します。pickle5
ライブラリの使用や環境のバージョン統一など、状況に応じた適切な解決方法を選択してください。
ヒント
長期保存が必要なデータでは、pickleよりJSONやMessagePackなどのより互換性の高いシリアライゼーション格式を使用することを検討しましょう。