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String型のreplaceAllエラーを解決する方法

問題概要

TypeScriptとAngular 10を使用している際に、文字列に対してreplaceAllメソッドを呼び出すと以下のエラーが発生します:

Property 'replaceAll' does not exist on type 'string'

これは以下のようなコードで発生します:

javascript
let date = "1399/06/08"
console.log(date.replaceAll('/', '_'))  // エラー発生

原因

このエラーの主な原因は以下の2つです:

  1. TypeScriptの対象バージョン設定: replaceAllメソッドはES2021で導入されたため、それ以前のESバージョンを対象にしている場合、型定義が存在しません。

  2. ライブラリ設定: libオプションで明示的にES2021.StringまたはES2021が指定されていない場合、TypeScriptはこのメソッドを認識しません。

解決方法

方法1: TypeScript設定を更新(推奨)

tsconfig.jsonファイルのcompilerOptionsを更新して、ES2021を対象にします:

json
{
  "compilerOptions": {
    "target": "ES2021",
    "lib": [
      "ES2021",
      "DOM"
    ]
  }
}

または、より具体的にString関連の機能のみを含める場合は:

json
{
  "compilerOptions": {
    "target": "ES2021",
    "lib": [
      "ES2021.String"
    ]
  }
}

TIP

targetlibの両方を設定する場合、libの設定が優先されます。互換性を保つためには両方を適切に設定することが重要です。

方法2: 正規表現を使用した代替方法

replaceAllの代わりに正規表現とreplaceメソッドを組み合わせて使用できます:

javascript
let date = "1399/06/08"
console.log(date.replace(/\//g, '_'))  // "1399_06_08"

より動的な処理が必要な場合:

javascript
function replaceAll(str, search, replacement) {
  return str.replace(new RegExp(search, 'g'), replacement)
}

let date = "1399/06/08"
console.log(replaceAll(date, '/', '_'))  // "1399_06_08"

方法3: splitとjoinを組み合わせる

別のシンプルなアプローチ:

javascript
let date = "1399/06/08"
console.log(date.split('/').join('_'))  // "1399_06_08"

方法4: カスタム型定義の追加(一時的な解決策)

プロジェクトのルートにmyOwnTypes.d.tsファイルを作成し、型定義を追加します:

typescript
interface String {
  replaceAll(input: string, output: string): string;
}

WARNING

この方法は型チェックをバイパスするため、あくまで一時的な解決策として使用してください。本質的な解決には方法1を推奨します。

ブラウザ互換性について

replaceAllメソッドは現代的なブラウザで広くサポートされていますが、古いブラウザをサポートする必要がある場合は、ポリフィルの使用や代替方法の採用を検討してください。

ブラウザサポート状況(2023年現在)

  • Chrome: 85以上 ✅
  • Firefox: 77以上 ✅
  • Safari: 13.1以上 ✅
  • Edge: 85以上 ✅

まとめ

replaceAllメソッドを使用する際のTypeScriptエラーを解決するには、以下のいずれかの方法を選択してください:

  1. 推奨: tsconfig.jsontargetlibをES2021に設定
  2. 互換性重視: 正規表現を使用した代替実装
  3. シンプル: splitjoinを組み合わせた方法

プロジェクトの要件と対象環境に応じて最適な方法を選択してください。新しいプロジェクトではES2021の設定を採用し、replaceAllを直接使用するのが最も現代的で読みやすいコードになります。