Poetry コマンドが見つからない問題の解決方法
問題の概要
Windows 10 + WSL Ubuntu 環境で Poetry をインストールした後、ターミナルを再起動すると poetry: command not found
エラーが発生する問題です。多くのユーザーが同様の問題に遭遇しており、PATH 環境変数の設定が正しく行われていないことが原因です。
原因分析
Poetry は正常にインストールされていても、その実行可能ファイルへのパスがシステムの PATH 環境変数に追加されていない場合、ターミナルセッション間で設定が維持されず、コマンドが見つからないエラーが発生します。
解決方法
方法1: 環境変数へのパス追加(推奨)
Poetry のインストールディレクトリを PATH 環境変数に永続的に追加します。
# .bashrc または .zshrc に追加
echo 'export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
# ユーザー環境変数に追加
$Env:Path += ";$env:APPDATA\Python\Scripts"
setx PATH "$Env:Path"
方法2: pipx を使用したインストール
公式推奨の方法である pipx を使用して Poetry を再インストールします。
# pipx のインストール(未インストールの場合)
python3 -m pip install --user pipx
python3 -m pipx ensurepath
# Poetry のインストール
pipx install poetry
方法3: 公式インストーラーの使用
最新の公式インストーラーを使用して再インストールします。
curl -sSL https://install.python-poetry.org | python3 -
(Invoke-WebRequest -Uri https://install.python-poetry.org -UseBasicParsing).Content | py -
インストール後、表示されるパスを環境変数に追加してください。
プラットフォーム別詳細設定
Windows 環境の場合
Poetry の実行ファイルは通常、以下のパスに配置されます:
%USERPROFILE%\AppData\Roaming\pypoetry\venv\Scripts
または
%APPDATA%\Python\Scripts
環境変数の設定方法:
- Windows の検索で「環境変数」と入力
- 「環境変数を編集」を選択
- 「ユーザー環境変数」の Path を編集
- 上記パスを新規追加
WSL/Ubuntu 環境の場合
# .bashrc に追記
echo 'export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
# 変更を即時反映
source ~/.bashrc
macOS 環境の場合
# .zshrc の作成と編集
touch ~/.zshrc
echo 'export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
# Homebrew を使用する場合
brew install poetry
動作確認
正しく設定されたか確認するには:
poetry --version
正常にバージョン情報が表示されれば設定完了です。
トラブルシューティング
既存の Poetry の再インストール
# 既存の Poetry をアンインストール
pip uninstall poetry
# クリーンインストール
pipx install poetry
パスの確認
現在の PATH 設定を確認:
echo $PATH
Poetry のパスが含まれているか確認してください。
参考情報
WARNING
古いインストーラー(get-poetry.py)は非推奨です。公式インストーラーまたは pipx を使用してください。
正しく設定すれば、ターミナルの再起動後も Poetry コマンドが認識されるようになります。