':app:mapDebugSourceSetPaths' エラーの解決方法

Androidアプリ開発において、Googleサービス（Firebaseなど）を統合する際に遭遇する一般的な問題の1つが Execution failed for task ':app:mapDebugSourceSetPaths' エラーです。この記事では、このエラーの原因と効果的な解決策について詳しく説明します。

問題の概要

このエラーは通常、Android Studioのアップデート後や新しいバージョンのGradleプラグインを導入した際に発生します。主なエラーメッセージは以下の通りです：

Error while evaluating property 'extraGeneratedResDir' of task ':app:mapDebugSourceSetPaths'
Failed to calculate the value of task ':app:mapDebugSourceSetPaths' property 'extraGeneratedResDir'
Querying the mapped value of provider(java.util.Set) before task ':app:processDebugGoogleServices' has completed is not supported

この問題は、Google ServicesプラグインとAndroid Gradle Plugin（AGP）のバージョン間の互換性の問題によって引き起こされます。

根本原因

互換性の問題

このエラーの主な原因は、使用している com.google.gms:google-services プラグインのバージョンが、現在のAndroid Gradle Plugin（AGP）のバージョンと互換性がないことです。

解決策

方法1：Google Servicesプラグインのバージョンアップ（推奨）

最も効果的で一般的な解決策は、Google Servicesプラグインを最新の互換バージョンに更新することです。

android/build.gradle ファイルを開き、依存関係を更新します：

buildscript {
    dependencies {
        classpath 'com.google.gms:google-services:4.4.1' // 最新バージョンに更新
        // 他の依存関係...
    }
}

最新バージョンの確認

常に Google Servicesプラグインの公式ドキュメント で最新バージョンを確認してください。

方法2：Android Gradle PluginとGoogle Servicesの互換バージョンを設定

以下の表は、Android Studioのバージョンごとの推奨設定です：

Android Studio バージョン	AGP バージョン	Google Services バージョン
Iguana (2023.2.1)	8.3.2	4.4.1
Giraffe (2022.3.1)	8.1.3	4.4.0
Electric Eel	7.4.0	4.3.15
Dolphin	7.3.1	4.3.14

プロジェクトレベルの build.gradle を以下のように設定します：

plugins {
    id 'com.android.application' version '8.3.2' apply false
    id 'com.android.library' version '8.3.2' apply false
    id 'com.google.gms.google-services' version '4.4.1' apply false
}

dependencies {
    classpath 'com.google.gms:google-services:4.4.1'
}

アプリレベルの build.gradle には以下を追加：

plugins {
    id 'com.android.application'
    id 'com.google.gms.google-services'
    // 他のプラグイン...
}

方法3：Flutterプロジェクトの場合

Flutterプロジェクトでこの問題が発生した場合、android/build.gradle ファイルを以下のように更新します：

buildscript {
    ext.kotlin_version = '1.7.10'
    repositories {
        google()
        mavenCentral()
    }

    dependencies {
        classpath 'com.android.tools.build:gradle:7.3.0'
        classpath 'com.google.gms:google-services:4.3.14' // こちらを更新
        classpath "org.jetbrains.kotlin:kotlin-gradle-plugin:$kotlin_version"
    }
}

方法4：Cordovaプロジェクトの場合

Cordovaを使用している場合は、config.xml に以下の設定を追加します：

<preference name="GradlePluginGoogleServicesEnabled" value="true" />
<preference name="GradlePluginGoogleServicesVersion" value="4.3.15" />

追加のトラブルシューティング手順

1. プロジェクトのクリーンとリビルド：

   flutter clean  # Flutterプロジェクトの場合
   ./gradlew clean  # ネイティブAndroidプロジェクトの場合

2. 依存関係の更新：

   flutter pub get  # Flutterプロジェクトの場合

3. キャッシュのクリア：

   • Android Studioで：File > Invalidate Caches / Restart

重要

Google Servicesプラグインを完全に削除することは推奨されません。これによりFirebase機能が使用できなくなり、別のエラーが発生します。

予防策

1. 定期的にAndroid Studioとプラグインを更新する
2. 新しいバージョンのAndroid Studioをインストールする前に、互換性マトリックスを確認する
3. バージョン管理システムを使用して変更点を追跡する

まとめ

:app:mapDebugSourceSetPaths エラーは主にバージョンの不一致によって発生します。Google Servicesプラグインを適切なバージョンに更新することで、ほとんどの場合この問題は解決します。常に互換性のあるバージョンの組み合わせを使用し、定期的なアップデートを行うことで、この種の問題を予防できます。

参考資料

• Google Services Plugin公式ドキュメント
• Android Gradle Pluginリリースノート

この記事が問題解決の手助けとなれば幸いです。それでも問題が解決しない場合は、プロジェクトの設定を詳細に確認するか、追加の支援を求めてください。