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Ubuntu 20.04 LTS WslRegisterDistribution failed with error: 0x800701bc

この記事では、WSL (Windows Subsystem for Linux) で Ubuntu をインストールしようとした際に発生する WslRegisterDistribution failed with error: 0x800701bc エラーの解決方法を詳しく解説します。

問題の概要

Windows 10 または Windows 11 で WSL を使用して Ubuntu 20.04 LTS や 22.04 LTS などのディストリビューションをインストールしようとすると、次のエラーが発生することがあります:

bash
WslRegisterDistribution failed with error: 0x800701bc

または、以下のようなエラーが表示される場合もあります:

bash
error: 0x80370114 the operation could not be started because a required feature is not installed.

これらのエラーは、WSL の実行に必要な環境が適切に設定されていないことを示しています。

主な原因

このエラーが発生する主な原因は以下のとおりです:

  1. WSL カーネルのバージョンが古い
  2. 必要な Windows 機能が有効になっていない
  3. 仮想化機能が BIOS/UEFI で有効になっていない
  4. カーネル更新パッケージのインストールが正しく行われていない

解決方法

以下の解決方法を順番に試してみてください。

方法 1: WSL の最新バージョンに更新する

最も簡単で効果的な解決方法は、WSL を最新バージョンに更新することです。

管理者権限で PowerShell またはコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します:

powershell
wsl --update

更新が完了したら、再度 Ubuntu のインストールを試みます:

powershell
wsl --install -d ubuntu

方法 2: 必要な Windows 機能を有効にする

WSL を使用するには、以下の Windows 機能が有効になっている必要があります。

  1. Windows の機能 ダイアログを開く:

    • スタートメニューで「Windows の機能」と検索
    • 「Windows の機能の有効化または無効化」を選択
  2. 以下の機能にチェックを入れる:

    • ☑️ Windows Subsystem for Linux
    • ☑️ 仮想マシンプラットフォーム
  3. OK をクリックし、システムを再起動する

TIP

Windows 11 では、これらの機能がデフォルトで有効になっている場合がありますが、確認しておくことをおすすめします。

方法 3: WSL カーネル更新パッケージを手動でインストールする

自動更新が機能しない場合は、手動でカーネル更新パッケージをインストールします。

  1. Microsoft 公式の WSL カーネル更新パッケージ から wsl_update_x64.msi をダウンロードする

  2. ダウンロードしたパッケージを実行してインストールする

  3. インストール後、PowerShell で以下のコマンドを実行する:

powershell
wsl --set-default-version 2

方法 4: カーネルファイルを手動で展開する(上級者向け)

MSI パッケージのインストールが正しく行われない場合、カーネルファイルを手動で展開することができます。

powershell
msiexec /a "wsl_update_x64.msi" /qb TARGETDIR="C:\temp"

展開後、C:\temp ディレクトリからカーネルファイルを C:\Windows\System32\lxss\tools にコピーします。

WARNING

この方法はシステムファイルを操作するため、慎重に行ってください。誤った操作はシステムに悪影響を及ぼす可能性があります。

方法 5: BIOS/UEFI で仮想化を有効にする

ハードウェアレベルでの仮想化支援機能が有効になっていることを確認します。

  1. コンピュータを再起動し、BIOS/UEFI 設定画面に入る
  2. 仮想化関連の設定を探す(「Virtualization Technology」、「VT-x」、「AMD-V」など)
  3. 該当する設定を「有効(Enabled)」に変更する
  4. 変更を保存して再起動する

WSL の基本コマンド

問題が解決した後、以下のコマンドで WSL を操作できます:

powershell
wsl --list
powershell
wsl --list --online
powershell
wsl --install -d Ubuntu-22.04
powershell
wsl --set-default Ubuntu-22.04
powershell
wsl
powershell
wsl --unregister Ubuntu-22.04

環境情報

この問題は以下の環境で確認されています:

  • CPU: AMD Ryzen 9 6900HX
  • OS: Windows 11 Home 22H2 - 64-bit
  • 対象ディストリビューション: Ubuntu 20.04 LTS, Ubuntu 22.04 LTS, Kali Linux

まとめ

WslRegisterDistribution failed with error: 0x800701bc エラーは、以下の手順で解決できる可能性が高いです:

  1. WSL の更新 (wsl --update)
  2. 必要な Windows 機能の有効化
  3. 手動でのカーネル更新パッケージのインストール
  4. BIOS/UEFI での仮想化機能の有効化

これらの解決策を順番に試すことで、問題なく WSL と Ubuntu を利用できるようになるはずです。