Flutter Androidライセンスエラーの修正：Javaバージョン不一致の解決法

問題の説明

Ubuntu環境でFlutter開発をセットアップ中、flutter doctorを実行すると以下の警告が表示される場合があります：

✗ Android license status unknown.
  Run `flutter doctor --android-licenses` to accept the SDK licenses.

この警告に対処するためflutter doctor --android-licensesを実行すると、次のエラーが発生します：

java.lang.UnsupportedClassVersionError: 
com/android/sdklib/tool/sdkmanager/SdkManagerCli has been compiled 
by a more recent version of the Java Runtime (class file version 61.0), 
this version of the Java Runtime only recognizes class file versions up to 55.0

このエラーの根本的な原因は、Android SDKツール（特にsdkmanager）が Java 17以上（クラスファイルバージョン61.0）でビルドされているのに対し、システムで使用されているJavaバージョンがJava 11以下（クラスファイルバージョン55.0まで対応）であるということです。

注意点

Javaをアップグレードしたにも関わらずエラーが解消されない場合、システムが依然として古いJavaバージョンを使用している可能性があります。環境変数の設定やデフォルトJavaの選択が正しく行われていないケースが多く見られます。

推奨解決策：Java 17の正しいインストールと設定

ステップ1: OpenJDK 17のインストール

ターミナルで以下のコマンドを実行し、最新のOpenJDK 17をインストールします：

sudo apt update
sudo apt install openjdk-17-jdk

ステップ2: デフォルトJavaの切り替え

インストール後、システムのデフォルトJavaをJava 17に設定します：

sudo update-alternatives --config java

表示されるメニューで、OpenJDK 17に対応する番号を選択します。例：

  0            /usr/lib/jvm/java-11-openjdk-amd64/bin/java      1111      auto mode
  1            /usr/lib/jvm/java-11-openjdk-amd64/bin/java      1111      manual mode
* 2            /usr/lib/jvm/java-17-openjdk-amd64/bin/java      1711      manual mode

ステップ3: 環境変数の設定

JAVA_HOME環境変数を設定します。~/.bashrcまたは使用しているシェルの設定ファイルを編集：

echo 'export JAVA_HOME="/usr/lib/jvm/java-17-openjdk-amd64"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc

ステップ4: 設定の確認

以下のコマンドで正しく設定されているか検証します：

java -version
echo $JAVA_HOME

出力例：

openjdk version "17.0.10" 2024-01-16
OpenJDK Runtime Environment (build 17.0.10+7-Ubuntu-0ubuntu122.04)
OpenJDK 64-Bit Server VM (build 17.0.10+7-Ubuntu-0ubuntu122.04, mixed mode, sharing)

/usr/lib/jvm/java-17-openjdk-amd64

ステップ5: Androidライセンスの承認

最後に以下のコマンドを実行し、Androidライセンスを承認します：

flutter doctor --android-licenses

成功の確認

各ライセンスに対してyを入力して承諾します。最後にflutter doctorを実行し、Android license statusが緑色のチェックマークになれば解決です。

代替解決策：Android SDKコマンドラインツールのダウングレード

Javaのアップグレードが不可能な場合の一時的な対処法として、Android SDKツールを古いバージョン（8.0）にダウングレードする方法があります。

手順

1. Android Studioを開き、ツール > SDK Manager に移動

2. SDK Tools タブを選択

3. Android SDK Command-line Tools (latest) のチェックを外す

4. 右下のShow Package Detailsをチェック

5. Android SDK Command-line Tools 8.0 を選択してインストール

6. ターミナルでAndroid SDKのパスに移動（通常は~/Android/Sdk/cmdline-tools）

   cd ~/Android/Sdk/cmdline-tools

7. インストールした8.0フォルダをlatestにリネーム

   mv 8.0 latest

8. Flutter doctorを再実行

   flutter doctor --android-licenses

注意

この方法は一時的な回避策です。Android SDK最新ツールの機能が制限されるため、Javaアップグレードが長期ソリューションとして推奨されます。

トラブルシューティング

JAVA_HOMEが正しく設定されているか確認

以下のコマンドでJAVA_HOMEパスがJava 17を指しているか確認：

echo $JAVA_HOME
# 正しい例: /usr/lib/jvm/java-17-openjdk-amd64

複数Javaバージョンがインストールされている場合

update-alternativesでJDK全体を設定：

sudo update-alternatives --config javac

パス更新を反映

設定変更後はターミナルを再起動、または以下を実行：

source ~/.bashrc

根本原因と予防策

この問題はAndroid SDK May 2023アップデート（バージョン8.0）でツールがJava 17を要求するようになった際に頻発しました。予防策として：

1. 定期的なJavaバージョンチェック

   java -version

2. Flutter環境のアップデートチェック

   flutter upgrade

3. Android SDK Toolsの最新版は常にJava LTSバージョンへの対応を確認

Android公式ドキュメント：Javaバージョン要件にて最新要件を確認できます。

これらの手順により、FlutterのAndroidライセンスエラーとJavaバージョン不一致問題が解決できるはずです。開発環境の整合性を保つために、定期的な依存関係の更新をお勧めします。