警告「FigureCanvasAgg is non-interactive, and thus cannot be shown」の解決方法

発生環境

• Windows 10
• PyCharm 2021.3.3 Professional
• Python 3.11.5
• matplotlib 3.8.1

問題の本質

Pythonでmatplotlibを使用してplt.show()を実行した際に、次の警告が表示されます：

UserWarning: FigureCanvasAgg is non-interactive, and thus cannot be shown plt.show()

これは「Agg」バックエンドが非対話型であり、画像表示機能を持たないことが原因です。以下が問題の核心部分です：

import matplotlib
matplotlib.use('Agg')  # ← 非対話型バックエンドの指定
import matplotlib.pyplot as plt

効果的な解決策

解決策1: デフォルトバックエンドに変更（推奨）

1. コードからmatplotlib.use('Agg')を完全に削除
2. Tkinterをインストール（Pythonに同梱されていない場合）

# Debian/Ubuntu
sudo apt-get install python3-tk

# macOS (Homebrew)
brew install python-tk

デフォルト動作の確認

import matplotlib.pyplot as plt
plt.plot([1, 2, 3], [4, 5, 6])
plt.show()  # 正常に表示される

解決策2: 代替バックエンドの使用

Tkinterが利用できない環境では、別のバックエンドを明示的に指定します：

import matplotlib
matplotlib.use('TkAgg')  # Tkinterベースのバックエンド
import matplotlib.pyplot as plt

import matplotlib
matplotlib.use('Qt6Agg')  # Qt6ベースのバックエンド
import matplotlib.pyplot as plt

必要なライブラリのインストール

PyQt6（最新推奨）

pip install PyQt6

Tkinter（軽量ソリューション）

# Windows: PythonインストーラでTcl/Tkを有効化
# Linux/macOS: 上記のインストールコマンド実行

PySide2（Qtの代替）

pip install PySide2

環境別対応ガイド

PyCharmユーザー向け

1. Settings > Python Interpreter で正しいインタプリタを選択
2. 仮想環境使用時は必要なライブラリがインストールされているか確認
3. 実行設定でShow plots in tool windowが有効になっているか確認

VS Codeユーザー向け

1. .vscode/settings.jsonに次を追加：

{
  "jupyter.runStartupCommands": [
    "import matplotlib",
    "matplotlib.use('TkAgg')"
  ]
}

永続的な設定変更

matplotlibrcファイルを編集（場所はmatplotlib.matplotlib_fname()で確認）：

# matplotlibrc内の該当行
backend: TkAgg  # デフォルトバックエンド変更

よくある落とし穴と対処法

注意点

• matplotlibインポート前にmatplotlib.use()を呼び出す必要がある
• 複数モジュールでmatplotlibをインポートする場合、最初のインポート時にのみバックエンド設定が適用される

複数モジュールでインポートされる場合の安全なコード例：

import sys

if 'matplotlib' not in sys.modules:
    import matplotlib
    matplotlib.use('TkAgg')  # 最初のインポートでのみ設定

import matplotlib.pyplot as plt

技術的背景

Matplotlibはバックエンドシステムで描画方法を切り替えます：

• Agg：ファイル出力専用（PNG等生成）
• TkAgg：TkinterベースのGUI
• Qt5Agg/Qt6Agg：QtベースのGUI
• macosx：macOSネイティブ

開発環境ではTkAggやQtAggのようなインタラクティブバックエンドを選択することで、plt.show()が正常動作します。