TypeScriptエラー「Unsafe assignment of an error typed value」の解決策

問題の説明

TypeScriptコードでオブジェクトのプロパティに動的にアクセスする際、以下のESLintエラーが発生します：

const map = {
  0.1: 'bar',
};

const x = Math.random();
// エラー発生箇所
const s: string = map[x]; // Unsafe assignment of an error typed value

エラーメッセージ：

Unsafe assignment of an error typed value.(@typescript-eslint/no-unsafe-assignment)

このエラーは変数s（string型）にmap[x]の値を代入しようとする際に発生します。メッセージ中の「error typed value」とは、暗黙的にany型と推論された値を指しています。

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エラーの根本原因

1. 型推論の限界:

   • 初期化{ 0.1: 'bar' }だけでは、TypeScriptはmapを{ 0.1: string }型と推論
   • 未定義のプロパティへのアクセスはany型とみなされる

2. 動的アクセスの危険性:

   map[x] // xはランダムな数値 → 存在しないキーの可能性

   • コンパイラはmap[x]の型をanyと判断（既定の動作）
   • anyをstring型変数に代入すると型安全性が崩れる

3. ESLintルールの動作: @typescript-eslint/no-unsafe-assignmentルールはany型の代入を検知し警告します

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解決方法３選

方法1: 明示的な型宣言（推奨）

mapの型をRecord<number, string>で明示します：

const map: Record<number, string> = {
  0.1: 'bar',
};

const x = Math.random();
const s: string = map[x]; // エラー解消

これで未定義キーもstring | undefinedと推論され、anyが排除されます。

方法2: 型アサーションの使用

一時的な対処法として型アサーションを追加：

const s: string = map[x] as string; // 明示的にstringを主張

WARNING

この方法はランタイムエラーを防げないため、限定的な使用に留めましょう。

方法3: インデックスシグネチャの定義

オブジェクト型に直接インデックスシグネチャを記述：

const map: { 
  [key: number]: string; 
} = { 0.1: 'bar' };

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補足アドバイス

1. ESLintサーバーの再起動: 型定義を修正してもエラーが消えない場合、VSCodeでESLintサーバーを再起動：

   Cmd/Shift+P → "ESLint: Restart ESLint Server"

2. 型定義の依存関係チェック: 外部モジュールの型定義に問題があると同様のエラーが発生：

   // 例: 相対パスが不正な型定義ファイル
   import { ProblematicType } from './myTypes/myTypes/';

3. strictモードの活用: tsconfig.jsonでstrict: trueを設定すると、初期段階でany推論を防止できます：

   {
     "compilerOptions": {
       "strict": true
     }
   }

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予防的ベストプラクティス

手法	効果	推奨度
Record型の使用	動的キーの型安全性を確保	★★★
オプショナルチェーン(?.)	undefinedアクセスを防止	★★☆
値存在チェック	実行時エラーを回避	★★☆

// 安全なアクセス例
const s = map[x] !== undefined ? map[x] : 'default';

このエラーは型システムの意図しないany漏出を警告しています。オブジェクトのキーが動的になる場合は、事前に型を明示することでほとんどの問題を予防可能です。