Skip to content

ChromeのサードパーティCookie警告と対応策

問題の本質

Chromeのコンソールに以下の警告が表示される現象:

Chrome is moving towards a new experience that allows users to choose to browse without third-party cookies.

この警告は、Chromeが段階的にサードパーティCookie廃止に向けた変更を実施していることを示します。テストグループ外であってもの警告が表示される主な原因と影響は:

  1. 「プリエントロピーフェーズ」警告:「Testing」タグがついたデフォルト設定時にも表示される開発者向けアラート
  2. ブロック設定とは無関係:incognitoモード以外で通常Cookiesが許可されていても発生
  3. 即時的な機能障害はない:現時点でサイト機能に直接的な影響はありません

警告発生の技術的要因

以下のいずれかが検出されると警告がトリガーされます:

http
# サードパーティCookie設定の例(警告対象)
Set-Cookie: user_tracking=abcd1234; Domain=.tracker.com; Path=/; Secure; SameSite=None

特に重要な属性:

  • SameSite=None:クロスサイトアクセスを許可する設定
  • 特定ドメインでのCookie設定(サードパーティコンテキスト)

注意点

警告は即時的なブロックを意味しませんが、2025年完全廃止までに修正が必要な機能を表しています

サードパーティCookie削除ロードマップ

フェーズ時期影響範囲
テスト段階2023-2024年ユーザーの1%
段階的ロールアウト2024年末ユーザーの30%
完全実装2025年全ユーザー

現時点で必要な対応

1. Cookie設定の最適化

http
# 推奨設定(Chrome互換)
Set-Cookie: session_id=abc123; Secure; SameSite=None; Partitioned

新しいPartitioned属性

サードパーティCookieの代替として導入:

http
Set-Cookie: __Host-example=value; Secure; Path=/; SameSite=None; Partitioned

トップレベルサイトごとにCookieストレージを分離しプライバシー保護

2. 影響範囲の特定方法

開発者ツールでの調査手順:

  1. Chrome DevTools → Applicationタブ
  2. Storage → Cookiesを選択
  3. SameSite列でNone設定のCookieをフィルタリング

3. 機能テストの実施

javascript
// Cookieアクセス可否のチェック
navigator.cookieEnabled ? 
  console.log('正常') : 
  console.error('制限検出 - 代替処理が必要');

中長期的対策

代替ソリューション実装

javascript
// Storage Access APIの使用例
document.requestStorageAccess().then(() => {
  // Cookieアクセス可能
  console.log('アクセス許可済み');
}).catch(() => {
  // 代替認証フローを実行
  useFallbackAuthentication();
});

主要な代替技術

  1. FedCM(Federated Credentials Management)
    プライバシー保護型の認証フレームワーク

  2. サーバーサイド認証の強化
    セッション管理をファーストパーティで完結

  3. プライバシーサンドボックスAPI

    • Topics API:インタレストベース広告
    • Attribution Reporting API:コンバージョン計測

テスト環境準備ガイド

  1. Chromeフラグを有効化:
    chrome://flags/#test-third-party-cookie-phaseout

  2. 影響シミュレーション:

    javascript
    // サードパーティCookieブロック環境をエミュレート
    chrome --disable-features=ThirdPartyCookiePhaseout

対応チェックリスト

  • [ ] SameSite=Noneを使用しているCookieの特定
  • [ ] Secure属性の適用確認(HTTPS必須)
  • [ ] Partitioned属性の追加テスト
  • [ ] サードパーティCookieに依存する機能のリストアップ
  • [ ] Storage Access APIの実装修正
  • [ ] ユーザーログへのエラーモニタリング導入

重要期限

2025年までに全対応を完了
Chromeの最終廃止スケジュールに間に合うよう早急な対応が必要

最終推奨対応フロー

ブラウザのプライバシー保護強化は不可逆的な流れです。サードパーティCookieへの依存を減らし、新しいウェブ標準への早期移行がビジネス継続のカギとなります。