Android Studioでのソースバージョン8廃止警告の解決方法

Androidプロジェクトで以下警告が発生する場合：
source value 8 is obsolete and will be removed in a future release
これはプロジェクトのJava互換性設定が古いJDKバージョンを参照していることが原因です。本記事では根本的解決法を解説します。

背景

警告はsourceCompatibility/targetCompatibilityがJava 8（バージョン1.8）に設定されている際に発生。Android Gradleプラグイン7.0以降ではJava 11以上が推奨されます。

解決策1: Javaツールチェーンで自動設定（推奨）

build.gradleに以下を追加すると、JDKインストールを自動検出し最適な設定を適用します。

build.gradle (Groovy)

android {
    compileOptions {
        // 次の2行はツールチェーンで自動設定されるため省略可
        sourceCompatibility JavaVersion.VERSION_17
        targetCompatibility JavaVersion.VERSION_17
    }
}

// この設定を追加
java {
    toolchain {
        languageVersion = JavaLanguageVersion.of(17)
    }
}

build.gradle.kts (Kotlin DSL)

android {
    compileOptions {
        sourceCompatibility = JavaVersion.VERSION_17
        targetCompatibility = JavaVersion.VERSION_17
    }
}

// 追加設定
java {
    toolchain {
        languageVersion = JavaLanguageVersion.of(17)
    }
}

メリット:

• 手動設定よりも将来的な互換性が高い
• チームメンバーのJDK環境差異を吸収
• Android公式ドキュメント推奨方法

解決策2: 手動互換性設定

既存のbuild.gradleを直接編集する方法です。

android {
    compileOptions {
        sourceCompatibility JavaVersion.VERSION_17 // 17に更新
        targetCompatibility JavaVersion.VERSION_17 // 17に更新
    }
    kotlinOptions {
        jvmTarget = "17" // Kotlin向けに追加
    }
}

必須対応：環境整備

1. JDK 17のインストール

1. Oracle JDK 17 をダウンロード
2. Android Studioで設定:
   File > Project Structure > SDK Location
   → JDK locationで新規JDKを指定

2. Gradleアップデート

gradle-wrapper.propertiesで最新版を指定（例）：

distributionUrl=https\://services.gradle.org/distributions/gradle-8.10.2-all.zip

適用後の確認手順

1. キャッシュクリア:
   File > Invalidate Caches / Restart → Invalidate and Restart
2. クリーンビルド:

   ./gradlew clean build

注意点

• JDK 17未インストールで設定変更するとビルドエラーが発生
• Android Gradle PluginとJDKバージョンの互換性確認が必要
  （例）AGP 8.3+ にはJDK 17必須

補足：応急処置（非推奨）

警告だけ抑制する方法（根本解決になりません）：

# gradle.propertiesに追加
android.suppressUnsupportedCompileSdk=8

推奨しない理由：

• 将来的なビルド失敗リスクが残る
• 新しいJava機能が利用できない
• Android Studioのパフォーマンス最適化対象外となる

以上で警告は解消されます。2025年現在、Android開発ではJDK 17対応が事実上の標準です。ツールチェーン採用で今後のバージョンアップにも柔軟に対応できます。