Skip to content

java.lang.NoClassDefFoundError: org.codehaus.groovy.vmplugin.v7.Java7 の解決方法

問題の概要

java.lang.NoClassDefFoundError: Could not initialize class org.codehaus.groovy.vmplugin.v7.Java7 というエラーは、Javaアプリケーション(特にSpring Bootアプリケーション)の実行時に発生することがあります。このエラーは、GroovyライブラリのバージョンとJavaバージョンの互換性の問題によって引き起こされます。

主な症状:

  • Groovy関連クラスの初期化に失敗する
  • Oracle JDKでは動作するが、OpenJDKでは失敗する
  • MavenやGradleを使用しているプロジェクトで発生

原因

このエラーの根本的な原因は、使用されているGroovyライブラリのバージョンが新しいJavaバージョン(JDK 14以上)と互換性がないことです。具体的には:

  • 古いバージョンのGroovy(2.x系)はJDK 14をサポートしていない
  • ビルドツール(Gradle)のバージョンが古すぎる
  • 間接的な依存関係として古いGroovyライブラリが含まれている

解決方法

方法1: Gradleのバージョンアップ(Gradleプロジェクトの場合)

最も一般的な解決策は、Gradleのバージョンを6.3以上にアップグレードすることです。

gradle/wrapper/gradle-wrapper.properties ファイルを編集します:

properties
# 変更前(例)
distributionUrl=https\://services.gradle.org/distributions/gradle-6.2-all.zip

# 変更後
distributionUrl=https\://services.gradle.org/distributions/gradle-6.3-all.zip

変更後、プロジェクトをリビルドします:

bash
./gradlew clean build

TIP

Gradle 6.3はJDK 14を正式にサポートしています。可能な場合はさらに新しいバージョン(Gradle 7.xなど)へのアップグレードも検討してください。

方法2: Javaバージョンの調整

プロジェクトの要件によっては、Javaバージョンをダウングレードする方が適切な場合があります。

IntelliJ IDEAでの設定:

  1. File → Project Structure → Project → SDKおよびLanguage level
  2. Settings → Build,Execution,Deployment → Build Tools → Gradle → Gradle JVM
  3. Settings → Build,Execution,Deployment → Compiler → Java Compiler
  4. build.gradleのJava設定(sourceCompatibilityとtargetCompatibility)

すべての設定で同じJDKバージョンと言語レベルを使用するようにします。

環境変数の設定:

bash
export JAVA_HOME="/path/to/jdk8"
export PATH="$JAVA_HOME/bin:$PATH"

方法3: Groovy依存関係の明示的追加(Mavenプロジェクトの場合)

古いGroovyライブラリが間接依存関係として含まれている場合、明示的に新しいバージョンを追加します:

xml
<dependency>
    <groupId>org.codehaus.groovy</groupId>
    <artifactId>groovy</artifactId>
    <version>3.0.8</version>
</dependency>

特定のモジュールが必要な場合:

xml
<dependency>
    <groupId>org.codehaus.groovy</groupId>
    <artifactId>groovy-all</artifactId>
    <version>3.0.8</version>
    <type>pom</type>
</dependency>

<dependency>
    <groupId>org.codehaus.groovy</groupId>
    <artifactId>groovy-json</artifactId>
    <version>3.0.8</version>
</dependency>

方法4: 依存関係の除外と明示的追加

特定のライブラリ(Liquibaseなど)が古いGroovyバージョンに依存している場合:

xml
<dependency>
    <groupId>org.liquibase</groupId>
    <artifactId>liquibase-groovy-dsl</artifactId>
    <version>2.1.1</version>
    <exclusions>
        <exclusion>
            <groupId>org.codehaus.groovy</groupId>
            <artifactId>groovy</artifactId>
        </exclusion>
        <exclusion>
            <groupId>org.codehaus.groovy</groupId>
            <artifactId>groovy-sql</artifactId>
        </exclusion>
    </exclusions>
</dependency>

<!-- 新しいバージョンを明示的に追加 -->
<dependency>
    <groupId>org.codehaus.groovy</groupId>
    <artifactId>groovy</artifactId>
    <version>3.0.3</version>
</dependency>

方法5: Spring Cloud Contractのアップデート

Spring Cloud Contractを使用している場合、プラグインのバージョンをアップデートします:

xml
<plugin>
    <groupId>org.springframework.cloud</groupId>
    <artifactId>spring-cloud-contract-maven-plugin</artifactId>
    <version>2.2.3.RELEASE</version>
</plugin>

予防策とベストプラクティス

  1. ビルドツールの最新化:GradleやMavenのバージョンを定期的に更新する
  2. Javaバージョンの互換性確認:使用するJavaバージョンとすべての依存関係の互換性を確認する
  3. 依存関係の分析mvn dependency:tree または ./gradlew dependencies で依存関係ツリーを確認する
  4. IDE設定の統一:プロジェクト設定、ビルドツール設定、実行環境のJavaバージョンを統一する

トラブルシューティングチェックリスト

  • [ ] Gradle/Wrapperのバージョンが6.3以上か確認
  • [ ] すべてのJava設定で同じバージョンを使用しているか確認
  • [ ] 間接依存関係に古いGroovyライブラリがないか確認
  • [ ] 環境変数JAVA_HOMEが正しく設定されているか確認
  • [ ] IDEの実行設定で使用されるJREが正しいか確認

WARNING

プロジェクトによっては、Javaバージョンのダウングレード(JDK 11または8)が必要な場合があります。特にレガシーなプロジェクトを扱う場合は、まずプロジェクトの互換性要件を確認してください。

このエラーは環境設定と依存関係管理の問題が原因であることがほとんどです。体系的なアプローチで問題の根本原因を特定し、適切な解決策を適用してください。