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WindowsでGitチェックアウト時に発生する「error: invalid path」の解決方法

問題の概要

Windows環境でGitリポジトリをチェックアウトする際、以下のようなエラーが発生することがあります:

bash
error: invalid path 'configs/perl-modules/DIST.64/perl-HTML-Tree-1:5.03-1.el6.noarch.rpm'

このエラーの主な原因は、ファイルパスにWindowsで無効な文字(コロン:など)が含まれていることです。Windowsファイルシステムでは、以下の文字がファイル名やパスに使用できません:

\ / : * ? " < > |

根本原因

Git for WindowsにはNTFSファイルシステムの保護機能(core.protectNTFS)が組み込まれており、デフォルトで有効になっています。この機能は、Windowsで無効な文字を含むファイルパスをチェックアウトしようとするとエラーを発生させます。

注意

この問題は通常、LinuxやmacOS、WSL(Windows Subsystem for Linux)では発生しません。異なるOS間で共同開発を行う場合に特に注意が必要です。

解決方法

方法1: core.protectNTFSを無効にする(推奨)

最も効果的な解決策は、Gitの設定を変更することです:

bash
git config core.protectNTFS false

この設定後、チェックアウトを再度実行します:

bash
git checkout <branch-name>
bash
# すべてのリポジトリで有効
git config --global core.protectNTFS false
bash
# 現在のリポジトリのみで有効
git config core.protectNTFS false

注意点

core.protectNTFSを無効にすると、コロンを含むファイル名が切り詰められ、内容が空(0バイト)のファイルが作成される場合があります。これを防ぐには、追加の手順が必要です。

方法2: スパースチェックアウトを組み合わせる

問題のあるファイルを除外しながらチェックアウトする方法:

bash
git clone --sparse -c core.protectNTFS=false -n <repository-url>
cd <repository-directory>
git sparse-checkout add "!<problematic-path-pattern1>" "!<problematic-path-pattern2>"
git checkout <branch-name>

方法3: WSL(Windows Subsystem for Linux)を使用する

WSLをインストールし、Linux環境でGit操作を行う:

bash
# WSL内で実行
git clone <repository-url>

WSLでチェックアウトした後、Windows側のツール(VS Codeなど)でファイルを編集できます。

方法4: ZIPファイルでダウンロードする

GitHubから直接ZIPファイルとしてダウンロード:

  1. GitHubリポジトリページで「Code」ボタンをクリック
  2. 「Download ZIP」を選択
  3. ダウンロードしたZIPファイルを展開

高度なトラブルシューティング

問題のあるファイルを特定する

bash
git ls-tree -r origin/main

このコマンドで、リポジトリ内のすべてのファイルをリスト表示し、問題のあるパスを特定できます。

ファイル内容を復元する方法

core.protectNTFSを無効にした後、内容が空のファイルができてしまった場合:

bash
# 問題のあるコミットとの差分を取得
git diff <problematic-commit-hash> > restore.patch

# パッチを適用(内容を復元)
patch -R -f -i restore.patch

# 変更をコミット
git add .
git commit -m "Restore files with invalid characters"

根本的な解決策

リポジトリ側の修正

可能であれば、リポジトリ内の問題のあるファイル名を修正することが最良の解決策です:

  1. 無効な文字(:, *, ?, ", <, >, |など)を含むファイル名を変更
  2. 末尾の空白文字を削除
  3. Windowsの予約名(aux, con, nulなど)を使用しているファイル名を変更

ヒント

GitHubのWebインターフェース(「.」キー押下でVS Code Web版が開く)で直接ファイル名を変更できます。

代替文字の使用

どうしてもコロンなどの文字が必要な場合、見た目が類似したUnicode文字(homoglyph)に置き換える方法もあります:

  • コロン(:) → Modifier Letter Colon (, U+A789)
  • その他、視覚的に類似した合法文字を使用

予防策

  1. リポジトリ設定の統一: チーム全員が使用するOSを統一するか、クロスプラットフォーム対応のファイル命名規則を制定する
  2. Gitフックの活用: コミット前にファイル名を検証するフックを設定する
  3. CI/CDパイプラインでの検証: プルリクエスト時にファイル名のバリデーションを行う

まとめ

Windowsでの「error: invalid path」問題は、主にファイルパスに含まれる無効な文字が原因です。core.protectNTFS設定の調整、スパースチェックアウトの使用、WSLの活用など、状況に応じた適切な解決方法を選択してください。

チーム開発では、リポジトリ側でファイル命名規則を見直し、クロスプラットフォーム互換性を確保することが最も持続可能な解決策となります。