pgadmin4での「crypt key missing」エラーの解決方法
問題の説明
PgAdmin4(バージョン6.1以降)を使用する際に「crypt key missing」(暗号化キーがありません)というエラーが発生することがあります。このエラーは通常、Dockerコンテナ内のPostgreSQLデータベースに接続しようとする際や、新しいサーバー登録時に発生します。
主な症状:
- サーバー接続設定時にエラーメッセージが表示される
- パスワードの保存や認証情報の処理ができない
- アプリケーションの起動直後にエラーが発生する
根本原因
このエラーの根本的な原因は、マスターパスワードが設定されていないことです。PgAdmin4は接続情報や認証データを暗号化して保存するためにマスターパスワードを使用します。このパスワードが設定されていない場合、暗号化キーが不足し、エラーが発生します。
解決方法
方法1: マスターパスワードの設定(推奨)
最も確実な解決方法は、PgAdmin4の起動時にマスターパスワードを設定することです。
- PgAdmin4を完全に終了します
- 再度PgAdmin4を起動します
- 起動時に表示されるマスターパスワード設定画面で、強力なパスワードを設定します
- パスワードを確認入力し、設定を完了します
TIP
マスターパスワードは将来の接続情報の暗号化に使用されるため、安全な場所に保管しておきましょう。
方法2: アプリケーションの再起動
単純な再起動で解決する場合もあります。
- PgAdmin4を完全に終了します
- 場合によってはコンピューター全体を再起動します
- 再度PgAdmin4を起動し、マスターパスワードの設定を求められたら設定します
方法3: Docker環境での対処
Docker環境でPgAdmin4を使用している場合:
# 既存のコンテナを停止
docker stop pgadmin_container
# コンテナを再起動
docker start pgadmin_container
# または、新しいコンテナで実行する場合は環境変数でパスワード設定
docker run -p 80:80 \
-e PGADMIN_DEFAULT_EMAIL="user@domain.com" \
-e PGADMIN_DEFAULT_PASSWORD="SuperSecret" \
-d dpage/pgadmin4
予防策
- 初回起動時には必ずマスターパスワードを設定する
- パスワード設定をスキップしない
- 定期的にPgAdmin4のアップデートを確認する
WARNING
マスターパスワードを忘れると、保存されているサーバー接続情報にアクセスできなくなる可能性があります。パスワード管理ツールなどで安全に保管してください。
まとめ
「crypt key missing」エラーは、PgAdmin4のセキュリティ機能によるもので、マスターパスワードが設定されていない場合に発生します。初回起動時に適切にパスワードを設定することで、この問題を簡単に解決できます。データベース接続情報を保護する重要な機能であるため、必ず強力なマスターパスワードを設定するようにしましょう。