Visual Studio 2022で.NET Framework 4.5プロジェクトを開く方法

問題

Visual Studio 2022では、.NET Framework 4.5などの古いバージョンに対応する開発者パックが標準でインストールされていません。そのため、.NET Framework 4.5をターゲットとするプロジェクトを開こうとすると、次のようなエラーが発生します：

「ターゲットフレームワークの参照アセンブリが見つからない」
「.NET Framework 4.5 Developer Packが必要」
プロジェクトの読み込みに失敗する

これは、.NET Framework 4.5がサポート終了（EOL）となり、Visual Studio 2022のデフォルトインストールに含まれなくなったためです。

解決策

方法1: NuGetパッケージを追加（推奨）

最も簡単で安全な方法は、プロジェクトに参照アセンブリのNuGetパッケージを追加することです。

xml

<Project Sdk="Microsoft.NET.Sdk">
  <PropertyGroup>
    <OutputType>Exe</OutputType>
    <TargetFramework>net45</TargetFramework>
  </PropertyGroup>
  <ItemGroup>
    <PackageReference Include="Microsoft.NETFramework.ReferenceAssemblies.net45" Version="1.0.3">
      <PrivateAssets>all</PrivateAssets>
      <IncludeAssets>runtime; build; native; contentfiles; analyzers; buildtransitive</IncludeAssets>
    </PackageReference>
  </ItemGroup>
</Project>

メリット

管理者権限が不要
プロジェクトごとに個別に設定可能
ビルドサーバーでも動作する
システムファイルを変更しない

方法2: 参照アセンブリを手動でインストール

NuGetパッケージを使用できない場合は、参照アセンブリを手動でインストールできます。

Microsoft.NETFramework.ReferenceAssemblies.net45 をNuGetからダウンロード
ファイル拡張子を .nupkg から .zip に変更
ZIPファイルを展開し、build\.NETFramework\v4.5\ フォルダ内のファイルをコピー
C:\Program Files (x86)\Reference Assemblies\Microsoft\Framework\.NETFramework\v4.5 に貼り付け
Visual Studioを再起動

注意

この方法では管理者権限が必要で、システムファイルを変更します。

方法3: 公式開発者パックをインストール

Microsoftから直接開発者パックをダウンロードしてインストールする方法もあります。

.NET Framework Developer Packs にアクセス
「Out of support versions」セクションを展開
「.NET Framework 4.5.2 Developer Pack」をダウンロード（4.5用として利用可能）

直接リンク: .NET Framework 4.5.2 Developer Pack

情報

.NET Framework 4.5.2は4.5との互換性があり、多くの場合で代用できます。

方法4: Visual Studio 2019を併用インストール

Visual Studio 2019を併せてインストールし、古いターゲットフレームワークのコンポーネントを含める方法です。

Visual Studio 2019インストーラーを実行
「個別のコンポーネント」タブを選択
「.NET Framework 4.5 Targeting Pack」をチェックしてインストール

注意点

Visual Studio 2019をアンインストールすると、これらのターゲットパックも削除されます。

自動化スクリプト

PowerShellを使用して複数のバージョンを一度にインストールするスクリプト：

powershell

$isAdmin = ([Security.Principal.WindowsPrincipal][Security.Principal.WindowsIdentity]::GetCurrent()).IsInRole([Security.Principal.WindowsBuiltInRole]::Administrator)

if (-not $isAdmin) {
    Start-Process powershell.exe -Verb RunAs -ArgumentList "-File `"$PSCommandPath`""
    exit
}

$versions = @("net40", "net45", "net451", "net452", "net46", "net461", "net462", "net47", "net471", "net472", "net48")

foreach ($version in $versions) {
    $url = "https://www.nuget.org/api/v2/package/Microsoft.NETFramework.ReferenceAssemblies.$version"
    $outputZip = Join-Path -Path $env:TEMP -ChildPath "Microsoft.NETFramework.ReferenceAssemblies.$version.zip"
    $outputFolder = "C:\Program Files (x86)\Reference Assemblies\Microsoft\Framework\.NETFramework\"

    Invoke-WebRequest -Uri $url -OutFile $outputZip
    Expand-Archive -Path $outputZip -DestinationPath $outputFolder\tmp -force
    xcopy "$outputFolder\tmp\build\.NETFramework\*" $outputFolder /E /H /Y
    Remove-Item $outputZip -Force
    Remove-Item $outputFolder\tmp -Recurse -Force
}

トラブルシューティング

プロジェクトを開いた後も問題が解決しない場合：

ソリューションをクリーン（dotnet clean または VSの「ビルド」＞「ソリューションのクリーン」）
bin と obj フォルダを手動で削除
NuGetパッケージの復元（dotnet restore）
Visual Studioを再起動

まとめ

方法	メリット	デメリット	推奨度
NuGetパッケージ	管理者権限不要、プロジェクトごと設定	プロジェクト変更が必要	⭐⭐⭐⭐⭐
手動インストール	一度の設定で全プロジェクト対応	管理者権限必要、システム変更	⭐⭐⭐
公式パック	公式サポート	古いバージョンは非推奨	⭐⭐
VS2019併用	公式な方法	追加ソフトインストール必要	⭐

最もおすすめなのは方法1のNuGetパッケージ追加です。これはMicrosoftも推奨している方法で、プロジェクトの移植性が高く、チーム開発やCI/CD環境でも問題なく動作します。

古い.NET Frameworkプロジェクトをメンテナンスする必要がある場合は、可能であれば新しいバージョンへのアップグレードも検討しましょう。

関連記事

Visual Studio 2022で.NET Framework 4.5プロジェクトを開く方法 ​

問題 ​

解決策 ​

方法1: NuGetパッケージを追加（推奨） ​

方法2: 参照アセンブリを手動でインストール ​

方法3: 公式開発者パックをインストール ​

方法4: Visual Studio 2019を併用インストール ​

自動化スクリプト ​

トラブルシューティング ​

まとめ ​