Docker Desktopが起動しない("Docker Desktop stopped..." エラー)
問題の概要
WindowsにDocker Desktopをインストールした後、「Docker Desktop stopped...」というエラーメッセージが表示されて起動しない問題が発生します。この問題は、Linuxカーネル更新パッケージのインストールとWSL 2への切り替えを正しく行った後でも発生することがあります。
注意
この問題は主にDocker Desktop 4.5.0バージョンで報告されており、Windows Homeエディションで特に発生しやすい傾向があります。
解決策
方法1: Docker Desktop のバージョンダウン (緊急対応)
問題が発生しているのがバージョン4.5.0の場合、以前の安定版である4.4.4バージョンにダウングレードすることで一時的に解決できます。
- 現在のDocker Desktopをアンインストール
- Docker公式サイトから4.4.4バージョンをダウンロード
- 再インストールを実行
TIP
この方法は一時的な解決策であり、長期的には最新バージョンへのアップデートを推奨します。
方法2: 設定ファイルの手動修正
WSL 2バックエンドが正しく有効化されていない場合、設定ファイルを手動で編集する必要があります。
以下のパスにある設定ファイルを開きます:
shellC:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Docker\settings.json
wslEngineEnabled
の値をtrue
に設定:json{ "wslEngineEnabled": true, // その他の設定... }
変更を保存後、PCを再起動
方法3: 最新版へのアップデート
Docker Desktop 4.5.1以降ではこの問題は修正されています:
- Docker Desktop 4.5.1以降をダウンロード
- インストールを実行(Windows Homeでは自動的にWSL 2に切り替え)
- それ以外のWindowsエディションでは、設定で手動切り替え:
- Settings > General > 「Use the WSL 2 based engine」を有効化
方法4: 完全再インストールとシステム再起動
上記の方法で解決しない場合:
- Docker Desktopを完全にアンインストール
- システム再起動
- 最新版のDocker Desktopを再インストール
- 再度システム再起動
根本原因
この問題は、Docker Desktop 4.5.0におけるWSL 2バックエンドの設定不具合が主要原因です。特に:
- Windows Homeエディションで自動設定が正常に動作しない
- 設定ファイルの
wslEngineEnabled
フラグが正しく設定されない - バージョン間の互換性問題
予防策
今後の類似問題を防ぐために:
推奨事項
- 常に最新の安定版Docker Desktopを使用する
- 主要なバージョンアップデート前にはバックアップを取る
- 問題が発生した場合はDockerコミュニティを確認する
トラブルシューティング
問題が解決しない場合の追加確認事項:
- 仮想化の有効化: BIOS/UEFI設定で仮想化機能が有効になっているか確認
- WSL 2の正常動作: PowerShellで
wsl --list --verbose
を実行し、WSL 2が正しく機能しているか確認 - Windowsアップデート: Windows OS自体が最新の状態か確認
まとめ
「Docker Desktop stopped...」エラーは主にバージョン4.5.0の不具合によるものです。最新版への更新または設定ファイルの手動修正によって解決できます。Windows環境でDockerを安定して使用するためには、WSL 2の正しい設定と適切なバージョン管理が重要です。