Chrome拡張機能による「A listener indicated an asynchronous response...」エラーの解決方法
問題の概要
Reactアプリケーションやウェブ開発中に、次のようなエラーメッセージがコンソールに表示されることがあります:
Uncaught (in promise)
A listener indicated an asynchronous response by returning true, but the message channel closed before a response was received
このエラーはアプリケーションの機能を直接妨げるものではありませんが、コンソールに表示されることで開発体験を悪化させ、潜在的な問題を示唆する可能性があります。
エラーの原因
このエラーの主な原因は、ブラウザ拡張機能によるクロスオリジンリクエストの問題です。具体的には:
- 拡張機能のコンテンツスクリプトがメッセージを送信したが、バックグラウンドスクリプトが適切に応答を返さなかった
- メッセージチャンネルが閉じられる前に非同期応答が完了しなかった
- 拡張機能の実装上の不備や互換性問題
技術的背景
このエラーはChromeの拡張機能システムにおける変更で導入されました。コンテンツスクリプトからのクロスオリジンリクエストが制限され、適切な応答処理が要求されるようになりました。
一般的な解決策
1. 問題のある拡張機能の特定と無効化
このエラーを引き起こす可能性が高い拡張機能:
- 広告ブロッカー (AdBlock, uBlock Originなど)
- プライバシーツール (Ghostery, Privacy Badger)
- 生産性ツール (BlockSite, Fonts Ninja)
- 開発者ツール (Tampermonkey)
解決手順:
- Chromeをシークレットモードで開いてエラーが消えるか確認
- 拡張機能を一つずつ無効化して問題の拡張機能を特定
- 問題の拡張機能を完全に削除するか、該当サイトを許可リストに追加
注意
完全な削除が必要な場合もありますが、多くの拡張機能では対象サイトをホワイトリストに追加するだけで解決します。
2. Ghosteryの場合の具体的手順
Ghosteryが原因の場合:
- Ghosteryアイコンをクリック
- 設定(歯車アイコン)を開く
- 「サイトリスト」タブを選択
- 現在のサイトを「信頼済みサイト」に追加
3. 開発者向け:拡張機能の実装修正
拡張機能を開発している場合、以下の修正が必要です:
// コンテンツスクリプトでのクロスオリジンリクエスト
chrome.runtime.onMessage.addListener(function(msg, sender, sendResponse) {
fetch('https://api.example.com/data')
.then(response => response.json())
.then(data => {
// 処理...
});
return true; // 非同期応答を示す
});
// バックグラウンドスクリプトでリクエストを処理
chrome.runtime.onMessage.addListener(function(msg, sender, sendResponse) {
// バックグラウンドスクリプトでクロスオリジンリクエストを実行
fetch('https://api.example.com/data')
.then(response => response.json())
.then(data => {
sendResponse({data: data}); // 応答を送信
})
.catch(error => {
sendResponse({error: error.message});
});
return true; // 非同期応答を示す
});
4. その他の解決策
Hostsファイルの修正 (Windowsの場合):
C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts
に以下を追加:127.0.0.1 localhost ::1 localhost
データベース接続の適切なクローズ: Databricks SQLコネクタなどの場合、接続を明示的に閉じる:
pythonconnection = sql.connect(server_hostname, http_path, access_token) # 処理... connection.close() # 忘れずに閉じる
エラーが発生する仕組み
以下のフローチャートはエラーが発生するプロセスを示しています:
拡張機能開発者向け詳細ガイド
Chrome拡張機能を開発する場合、以下のベストプラクティスに従いましょう:
- クロスオリジンリクエストはバックグラウンドスクリプトで実行
- 明示的に
sendResponse()
を呼び出す - 適切なエラーハンドリングを実装
- メッセージリスナーでは常に応答を返す
重要
Promiseを返す新しいAPIとコールバックベースの古いAPIの違いを理解することが重要です。多くのエラーはこの混在が原因で発生します。
まとめ
「A listener indicated an asynchronous response...」エラーは主にブラウザ拡張機能が原因で発生します。開発中にこのエラーが表示された場合は、まず拡張機能を無効化して確認し、必要に応じて設定を調整しましょう。拡張機能開発者の場合は、クロスオリジンリクエストを適切に処理するように実装を修正してください。
このエラーはアプリケーションの機能に直接影響しませんが、コンソールをクリーンに保つことはデバッグやユーザー体験の向上に役立ちます。