matplotlibのModuleNotFoundError: 'matplotlib.backends.registry' 解決法

問題の背景

Pythonのデータ可視化ライブラリであるmatplotlibを使用中に、以下のエラーが発生するケースがあります：

ModuleNotFoundError: No module named 'matplotlib.backends.registry'

このエラーは通常、以下の状況で発生します：

• 古いバージョンのmatplotlibを使用している
• インストールが破損している
• seaborn-whitegridなど非推奨のスタイル設定を試みている

原因分析

エラーが発生する主な要因は3つあります：

1. matplotlibのインストール破損
   パッケージのインストールに失敗し、重要なモジュールが欠損状態になる

2. スタイル名の非推奨化
   plt.style.use('seaborn-whitegrid')は新しいバージョンで利用不可に

   # 無効な記述例
   plt.style.use('seaborn-whitegrid')  # 非推奨

3. パッケージの残存ファイル
   不完全なアンインストールにより~atplotlib等の残存ファイルがエラーの原因に

解決手順

方法1: 強制再インストール（推奨）

1. 既存パッケージのアンインストール

   pip uninstall -y matplotlib seaborn

2. 依存関係なしで再インストール

   pip install --force-reinstall --no-cache-dir --no-deps matplotlib
   pip install --force-reinstall --no-cache-dir --no-deps seaborn

3. 依存関係を追加インストール

   pip install numpy pillow pyparsing cycler python-dateutil

方法2: 手動で残存ファイル削除（方法1が失敗する場合）

1. Pythonのパッケージディレクトリを開く

   • 通常のパス: C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Programs\Python\<バージョン>\Lib\site-packages\

2. 以下のファイル/フォルダを削除:

   • matplotlib（フォルダ全体）
   • mpl_toolkits（フォルダ）
   • ~atplotlib（チルダ付きファイル）
   • matplotlib-*.dist-info（メタデータファイル）

警告

削除操作は注意して行ってください。他のパッケージファイルを誤って削除しないようご注意ください

方法3: 新しいスタイル設定方法の適用

インストール修正後、最新のスタイル設定方法を使用：

# 推奨される方法
%matplotlib inline
import matplotlib.pyplot as plt
import seaborn as sns

# Seabornを使用したスタイル設定
sns.set_theme(style="whitegrid")  # 最新のテーマ設定API

# またはMatplotlibネイティブの設定
plt.style.use('seaborn-v0_8-whitegrid')  # v0.8互換モード

動作確認コード

正しくインストールできたか確認するテストコード：

%matplotlib inline
import matplotlib.pyplot as plt
import seaborn as sns
sns.set_theme(style="whitegrid")
import numpy as np

# サンプルプロットの生成
fig, ax = plt.subplots()
x = np.linspace(0, 10, 100)
ax.plot(x, np.sin(x))
ax.set_title("動作確認プロット")
plt.show()

補足事項

• Jupyterユーザー向け注意点
  環境によっては追加で以下が必要:

  pip install --upgrade ipython jupyter

• バージョン互換性
  Python 3.13では以下のバージョン確認を推奨:

  import matplotlib
  print(matplotlib.__version__)  # 3.8.0以上が必要

• インストール確認方法
  正しいスタイルが適用できているか確認:

  print(plt.style.available)  # 有効スタイル一覧表示

::: success ベストプラクティス

1. パッケージ管理にvirtualenvやcondaを使用する
2. seaborn.set_theme()でスタイル設定を行う
3. 定期的にpip list --outdatedで更新確認を ::>

結果例

正常に動作すると以下のような出力が得られます：

白色グリッド背景のサイン波形