DevTools failed to load SourceMap エラーの解決方法
問題の概要
ウェブ開発中に、Chrome DevToolsで以下のようなエラーメッセージが表示されることがあります:
DevTools failed to load SourceMap: Could not load content for https://cdn.jsdelivr.net/npm/@tensorflow/tf.min.js.map: HTTP error: status code 404, net::ERR_HTTP_RESPONSE_CODE_FAILURE
このエラーは、主にJavaScriptライブラリ(TensorFlow.js、PoseNet、Chart.js、Bootstrapなど)をCDNから読み込む際に発生します。エラー自体はアプリケーションの機能に直接的な影響を与えませんが、開発者コンソールに警告が表示されるという煩わしさがあります。
SourceMapとは
SourceMapは、ミニファイ(圧縮)された本番用コードと元のソースコードをマッピングするファイルです。開発者が本番環境のコードをデバッグしやすくするために使用されます。
主な原因
このエラーが発生する主な理由は以下の通りです:
- CDNにSourceMapファイルが存在しない
- ライブラリのバージョン不一致
- ブラウザの拡張機能の干渉
- ローカル環境でのSourceMap参照の問題
解決方法
方法1: CDN URLの修正(推奨)
元のコード:
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/@tensorflow/tfjs"></script>
修正後:
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/@tensorflow/tfjs/dist/tf.min.js"></script>
この変更により、正しいミニファイされたファイルを直接参照することで、SourceMapの参照エラーを解決できます。
<!-- 修正前 -->
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/@tensorflow/tfjs"></script>
<!-- 修正後 -->
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/@tensorflow/tfjs/dist/tf.min.js"></script>
<!-- 修正前 -->
<link rel="stylesheet" href="https://cdn.jsdelivr.net/npm/bootstrap@5.3.0/dist/css/bootstrap.css">
<!-- 修正後 -->
<link rel="stylesheet" href="https://cdn.jsdelivr.net/npm/bootstrap@5.3.0/dist/css/bootstrap.min.css">
方法2: ブラウザ設定の調整
Chrome DevToolsでSourceMapの読み込みを無効化する:
- Chrome DevToolsを開く(F12または右クリック→「検証」)
- 設定アイコン(⚙)をクリック
- 「Preferences」タブを選択
- 以下2つの設定を無効化:
- [ ] Enable JavaScript source maps
- [ ] Enable CSS source maps
- ページを再読み込み
注意
この方法はエラーメッセージを非表示にするだけで根本的な解決ではありません。開発中はSourceMapを有効にしておくことを推奨します。
方法3: ブラウザ拡張機能の無効化
アドブロックやReact Dev Toolsなどの拡張機能がSourceMapの読み込みを妨げている可能性があります:
- シークレットモードでページを開いてテスト
- 問題が解決する場合は、拡張機能を一つずつ無効化して原因を特定
- 問題のある拡張機能を無効化または削除
方法4: ライブラリのバージョン変更
特定のバージョンではSourceMapの問題が解決されている場合があります:
<!-- TensorFlow.jsの例 -->
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/@tensorflow/tfjs@0.9.0"></script>
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/@tensorflow-models/posenet@1.0.0"></script>
方法5: SourceMap参照の削除
ローカルにファイルをダウンロードして使用する場合:
- CDNからJavaScriptファイルをダウンロード
- ファイルの最終行にあるSourceMap参照を削除:javascript
// 削除する行(例) //# sourceMappingURL=twgl-full.js.map
- 編集したファイルをプロジェクトで使用
方法6: Webpack設定の調整(ビルドツール使用時)
Webpackを使用している場合、以下の設定を確認してください:
// webpack.config.js
module: {
rules: [
{
test: /\.js$/,
// exclude: /node_modules/, // この行をコメントアウト
enforce: "pre",
use: ["source-map-loader"],
},
],
}
根本的な原因と回避策
このエラーの根本的な原因は、多くのCDN配信ライブラリがソースマップへの参照を含んでいるものの、実際にはソースマップファイルを提供していないことにあります。
実践的なアドバイス
- 本番環境では、ソースマップは通常必要ありません
- 開発中は、信頼できるCDNまたはローカルサーバーからライブラリを提供することを検討してください
- ライブラリを自己ホストする場合は、ソースマップファイルも一緒に配置するか、参照を削除してください
まとめ
DevTools failed to load SourceMap
エラーは見かけ上の警告で、アプリケーションの機能には影響しません。しかし、開発体験を向上させるために以下のいずれかの解決策を実施することをお勧めします:
- CDN URLを正確なファイルパスに修正
- ライブラリのバージョンを変更
- 必要に応じてブラウザの設定を調整
これらの解決策の中では、方法1の「CDN URLの修正」が最もクリーンで推奨されるアプローチです。