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iPhoneが利用できません。デバイスを再接続してください

iOSデバイスをXcodeで開発する際、「iPhone is not available. Please reconnect the device」というエラーはよく遭遇する問題です。この記事では、このエラーの原因と効果的な解決策を網羅的に解説します。

問題の原因

このエラーの主な原因は以下のいずれかです:

  • XcodeのバージョンとiOSのバージョンが互換性がない
  • デバイスのトラスト(信頼)設定の問題
  • デバイスサポートファイルの不足
  • USB接続やネットワークの問題

XcodeとiOSの互換性

Xcodeは特定のiOSバージョンまでしか公式にサポートしません。新しいiOSにアップデートしたがXcodeを更新していない場合、このエラーが発生します。

解決策一覧

方法1: XcodeとiOSのアップデート

最も基本的で推奨される解決方法です。

bash
# 現在のXcodeバージョンを確認
xcodebuild -version
bash
# App StoreからXcodeをアップデート
sudo softwareupdate --install -a

XcodeとiOSの対応表:

Xcodeバージョン対応iOSバージョン
Xcode 12.3iOS 14.3
Xcode 12.2iOS 14.2
Xcode 12.1iOS 14.1
Xcode 12iOS 14
Xcode 11.7iOS 13.7
Xcode 11.6iOS 13.6
Xcode 11.5iOS 13.5
Xcode 11.4iOS 13.4

最新のXcodeはApple Developerダウンロードページから入手できます。

方法2: デバイスサポートファイルの追加

Xcodeをアップデートできない場合、手動でデバイスサポートファイルを追加する方法があります。

WARNING

この方法は非公式な回避策であり、すべての機能が正常に動作することを保証するものではありません。

  1. デバイスのiOSバージョンを確認(設定 → 一般 → 情報 → ソフトウェアバージョン)
  2. 該当するバージョンのデバイスサポートファイルをダウンロード:
  3. Xcodeを終了
  4. ダウンロードしたファイルを解凍し、以下のパスに配置:
    /Applications/Xcode.app/Contents/Developer/Platforms/iPhoneOS.platform/DeviceSupport/
  5. Xcodeを再起動

方法3: デバイスの再接続とトラスト設定

  1. Xcodeでデバイスの状態を確認

    • Window → Devices and Simulators を開く
    • 左パネルでデバイスを選択
    • 右側に表示されるエラーメッセージを確認
  2. デバイスのトラスト設定

    • iPhoneをMacから切断
    • iPhoneで「設定 → 一般 → リセット → 位置情報とプライバシーをリセット」
    • Macに再接続し、「このコンピュータを信頼しますか?」で「信頼」を選択
  3. Xcodeでデバイスを再ペアリング

    • Devices and Simulators でデバイスを選択
    • 「-」ボタンで削除(unpair)
    • デバイスを再接続し、再度追加

方法4: 再起動と基本的なトラブルシューティング

多くの場合、以下の基本的な手順で問題が解決します:

  1. iPhoneを再起動
  2. Macを再起動
  3. Xcodeのクリーン
    • Product → Clean Build Folder
    • 派生データの削除(Xcode → Preferences → Locations)
  4. USBポートの変更:別のUSBポートまたは別のケーブルを試す
  5. Wi-Fiデバッグの試行:有線接続で問題が解決しない場合

Wi-Fiデバッグの設定方法

  1. 初回は有線で接続
  2. Window → Devices and Simulators でデバイスを選択
  3. 「Connect via network」チェックボックスをオン
  4. 以後は同じネットワーク内でワイヤレス接続可能

詳細なトラブルシューティング手順

問題が解決しない場合、以下の詳細な手順を試してください:

詳細トラブルシューティング手順
  1. iOSのマイナーアップデートの実施

    • iOS 13.6.1で問題が発生している場合、13.7にアップデートすると解決することが多い
  2. Apple IDの再設定

    • Xcode → Preferences → Accounts でApple IDを一旦削除し再追加
  3. 複数Xcodeバージョンの併用

    • 古いXcodeを使用する必要がある場合、新しいバージョンも併用インストール
    • 必要なデバイスサポートファイルを新しいXcodeから古いXcodeにコピー
  4. Bet版ソフトウェアの注意点

    • iOS BetaとXcode Betaの組み合わせでは互換性問題が起こりやすい
    • 安定版を使用することが推奨

予防策

今後の問題を防ぐための対策:

  1. 定期的なアップデート:XcodeとiOSを定期的に更新
  2. デバイスサポートファイルのバックアップ:よく使用するiOSバージョンのサポートファイルを保管
  3. 安定版の使用:可能な限り安定版のOSと開発ツールを使用

まとめ

「iPhone is not available. Please reconnect the device」エラーは主にバージョン不一致が原因です。最初にXcodeとiOSの互換性を確認し、必要に応じてアップデートまたはデバイスサポートファイルの追加を行ってください。基本的な再接続や再起動でも多くの問題が解決します。

問題が解決しない場合は、XcodeのDevices and Simulatorsウィンドウで詳細なエラーメッセージを確認し、それに応じた対処を行うことが重要です。