Xcodeで「Failed to prepare device for development」エラーの解決方法
問題の概要
Xcodeで実機デバイスへのアプリデプロイ時に「Failed to prepare device for development」というエラーが発生する問題は、iOS開発者によく見られるトラブルの一つです。このエラーは以下のようなメッセージとともに表示されます:
Errors were encountered while preparing your device for development. Please check the Devices and Simulators Window.
この問題は、デバイスとXcodeの間の接続や互換性に関連するさまざまな要因によって発生します。
原因別の解決方法
1. 基本的なトラブルシューティング
まずは以下の基本的な解決策から試してみてください:
# 最も簡単かつ効果的な解決策の一つ
iPhoneを再起動してください
# 物理的な接続の問題を解消
1. USBケーブルを抜き差しする
2. 別のUSBポートやケーブルを試す
3. コネクタの汚れや損傷を確認する
2. 開発者モードの確認(iOS 16以降)
iOS 16以降では、開発者モードの有効化が必須となりました:
開発者モードを有効にする手順
- iPhoneで「設定」→「プライバシーとセキュリティ」を開く
- 一番下までスクロールして「開発者モード」を探す
- トグルをオンにして、指示に従いデバイスを再起動
WARNING
iOSのバージョンアップ後は、開発者モードが無効になる場合があるので注意してください。
3. 信頼関係のリセット
デバイスとMac間の信頼関係に問題がある場合:
- iPhoneで「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」を開く
- 接続しているMacのプロファイルを削除
- iPhoneをMacから切断し、再度接続
- 「このコンピュータを信頼しますか?」というプロンプトで「信頼」を選択
4. XcodeとOSのバージョン互換性
最も一般的な原因は、XcodeとiOSのバージョン不一致です:
バージョン互換性チェック
- Xcodeのリリース日がiOSのリリース日より新しいことを確認
- Apple公式サイトで互換性を確認
バージョン不一致がある場合の解決策:
# 1. macOSを最新バージョンに更新
# 2. App StoreでXcodeを最新版に更新
# 3. iOSデバイスを最新OSに更新
# 古いXcodeで新しいiOSを使用する場合
1. GitHubから該当するiOSバージョンのデバイスサポートファイルをダウンロード
2. アプリケーション → Xcode右クリック → パッケージ内容を表示
3. Contents/Developer/Platforms/iPhoneOS.platform/DeviceSupport/ に展開
4. Xcode再起動とデバイスの再接続
5. ネットワーク関連の設定
ワイヤレスデバッグやネットワーク接続に問題がある場合:
マルチパスネットワーキングの無効化:
- iPhoneの「開発者設定」で「マルチパスネットワーキング」をオフにする
同一Wi-Fiネットワーク接続:
- MacとiPhoneを同じWi-Fiネットワークに接続
「接続先を表示」設定の確認:
- Xcodeで
Cmd + Shift + 2
を押して「Devices and Simulators」を開く - 「Show run destination」ドロップダウンが「Never」になっていないか確認
- 「Always」または「Automatic」に変更
- Xcodeで
6. Apple Watchの影響
Apple Watchをペアリングしている場合の対処法:
7. Xcodeのキャッシュと設定クリーンアップ
以下のコマンドや操作でXcodeの状態をリセット:
# Xcode内で: ⌘ + Shift + K
# または终端で:
xcodebuild clean
# 標準的な保存場所:
~/Library/Developer/Xcode/DerivedData/
# すべて削除:
rm -rf ~/Library/Developer/Xcode/DerivedData/*
# USB接続の問題がある場合
sudo killall -STOP -c usbd
系統的なトラブルシューティング手順
問題が解決しない場合は、以下のフローチャートに従って系統的に調査してください:
まとめ
「Failed to prepare device for development」エラーは様々な要因で発生しますが、以下の点を優先的に確認してください:
- 基本的な対策:デバイス再起動、ケーブル確認
- バージョン互換性:Xcode、macOS、iOSのバージョン一致
- 開発者モード:iOS 16以降では必須設定
- 信頼関係:デバイスとMac間の信頼設定の確認
これらの対策で大部分の問題は解決します。それでも解決しない場合は、Apple Developerフォーラムや公式サポートに問い合わせることをお勧めします。