Skip to content

Azure DevOps Git認証エラー:Cannot determine the organization name

Azure DevOps (旧Visual Studio Team Services) のGitリポジトリで作業中、git pushgit pull を実行した際に以下のエラーが発生することがあります:

Cannot determine the organization name for this 'dev.azure.com' remote url. ensure the credential.usehttppath configuration value is set, or set the organization name as the user in the remote url '{org}@dev.azure.com'.

このエラーは、GitがAzure DevOpsの組織名を特定できず、認証に失敗していることを示しています。

原因

この問題は主に以下の要因で発生します:

  • Git Credential Manager (GCM) の設定が不適切
  • 複数バージョンのGitが競合している
  • リモートURLの形式が正しくない
  • 資格情報マネージャーの設定の問題

解決方法

1. credential.useHttpPath の設定 (推奨)

Gitの設定で credential.useHttpPath を有効にすることで、組織ごとの資格情報管理が可能になります。

bash
git config --global credential.useHttpPath true

この設定により、Git Credential Managerが組織名を正しく認識できるようになります。

2. Git Credential Manager Coreの更新

古いバージョンのGCMを使用している場合、この問題が発生することがあります。最新版をインストールしてください:

Git Credential Manager Coreのインストール方法
  1. Git for Windows を最新版に更新
  2. インストール時に「Git Credential Manager Core」を選択
  3. または、Git Credential Manager Coreのリリースページから直接インストール

3. Visual Studioの設定変更

Visual Studioを使用している場合は、以下の設定を確認してください:

  1. ツール > オプション > ソース管理 > Gitグローバル設定 を開く
  2. 以下の設定を確認・変更:
    • 資格情報ヘルパー:GCM Core
    • 暗号化ネットワークプロバイダー:OpenSSL
    • フェッチ中のリモートブランチの剪定:False
    • プル時のローカルブランチのリベース:False

Visual Studioの設定に関する注意

Visual Studioの設定変更後、変更が反映されない場合は、Git Bashやコマンドプロンプトから直接git configコマンドを実行してください。

4. リモートURLの修正

リモートURLの形式が古いvisualstudio.com形式の場合、新しいdev.azure.com形式に変更します:

bash
# 現在のリモートURLを確認
git remote -v

# リモートURLを更新(組織名@dev.azure.com形式)
git remote set-url origin https://{組織名}@dev.azure.com/{組織名}/{プロジェクト名}/_git/{リポジトリ名}

5. 複数Gitバージョンの競合解消

SourceTreeやその他のGitクライアントを使用している場合、システムのGitと組み込みGitの競合が原因である可能性があります:

  • SourceTreeの場合:ツール > オプション > Git > Gitバージョン > システム を選択
  • その他のクライアント:システムのGitを使用するよう設定を変更

クライアント間の設定競合を避けるには

全てのGitクライアントで同じGitバージョンを使用するように設定することを推奨します。これにより、設定の競合を防ぎ、一貫した動作を確保できます。

根本的な原因と予防策

このエラーは、Azure DevOpsのURL形式変更と、それに対応するGit Credential Managerの更新に起因しています。以下の予防策を講じることで、同様の問題を防げます:

  1. 定期的なGitの更新:少なくとも年1回はGit for Windowsを最新版に更新
  2. 一貫した環境設定:全ての開発環境で同じGitバージョンと設定を使用
  3. リモートURLの適切な管理:新しいdev.azure.com形式を使用

まとめ

Cannot determine the organization name エラーは、主にGitの認証設定に関する問題です。最も効果的な解決策は:

  1. credential.useHttpPath の設定
  2. Git Credential Manager Coreの最新版への更新
  3. 適切なリモートURL形式の使用

これらの対策を講じることで、Azure DevOpsとのスムーズなGit連携が可能になります。