Git push時のRPC failed HTTP 400エラーの解決方法
問題の詳細
git push origin master
コマンドでプライベートGitHubリポジトリにファイルをプッシュしようとすると、以下のエラーが発生しファイルが表示されない問題:
RPC failed; HTTP 400 curl 22 The requested URL returned error: 400
send-pack: unexpected disconnect while reading sideband packet
このエラーは主に以下の状況で発生します:
- 大きなファイルや多数の変更を一度にプッシュしようとする場合
- GitのHTTPバッファサイズがデフォルト値のままの場合
- 古いバージョンのGitを使用している場合
- リポジトリに大きなバイナリファイルが含まれている場合
効果的な解決策
1. HTTPバッファサイズの拡大
最も効果的で一般的な解決法は、GitのHTTPバッファサイズを増やすことです:
bash
# バッファサイズを150MBに設定(デフォルトは約1MB)
git config --global http.postBuffer 157286400
# より大きな変更の場合は500MBに設定
git config http.postBuffer 524288000
なぜこれが有効か?
デフォルトのバッファサイズでは大規模なデータ転送中にサーバー接続が切断されます。バッファサイズを拡大することで:
- 大きなデータチャンクをまとめて転送可能に
- 転送タイムアウトを回避
- サーバー予期せぬ切断を防止
2. Gitバージョンの更新と確認
古いGitバージョンが原因でエラーが発生する場合があります:
bash
# 現在のGitバージョンを確認
git --version
# Homebrewを使ったmacOSでのアップデート例
brew update
brew upgrade git
brew link --overwrite git
環境変数PATH
を確認し、古いGitバージョンが優先されていないか確認してください。
3. 変更を小分けにしてpush
特に大きな変更をプッシュする場合:
bash
# コミットを分割して個別にプッシュ
git push origin <commit-hash>:master
大規模プッシュの注意点
1回のプッシュで以下を避ける:
- 50ファイルを超える変更
- 合計100MBを超えるバイナリファイル
- 大規模なリファクタリングを含むコミット
4. リポジトリの最適化
大きなバイナリファイルを扱う場合:
bash
# 不要なオブジェクトの削除(リポジトリ軽量化)
git gc --auto
# Git LFSの導入(大型ファイル管理)
git lfs install
git lfs track "*.psd"
git lfs track "*.zip"
git add .gitattributes
Git LFSは以下のファイルに特に有効:
- 50MBを超える画像/動画ファイル
- データセット(CSV, JSON)
- コンパイル済みバイナリ
根本原因と予防策
エラーが発生する理由
HTTP 400
エラーは主に:
- バッファ不足:デフォルトサイズ(1MB)で大規模データ転送が不完全に
- ネットワーク制約:不安定な接続やファイアウォール制限
- リポジトリ肥大化:時間経過による履歴データの増加
恒久的な予防策
bash
# .gitconfigに永続的設定を追加
[httpl
postBuffer = 157286400
]
# リポジトリサイズモニタリング
git count-objects -vH
# プッシュ最適化オプション
git push --thin --no-verify
重要な注意点
- 個人トークンの有効期限:GitHub認証トークンが切れていないか確認
- 企業ネットワーク制限:プロキシ設定が必要な場合
git config --global http.proxy [url]
- GitHubサービスの障害:GitHub Statusで確認
最終手段
上記対策でも解決しない場合:
- ローカルリポジトリを再クローン
bash
git clone https://github.com/user/repo.git new_directory
cp -r old_directory/.git new_directory/
cd new_directory
git push origin master
- SSHプロトコルへの切替
bash
git remote set-url origin git@github.com:user/repo.git
- GitHubサポートへの問い合わせ
これらの解決策を適切に実施することで、RPC failed; HTTP 400
エラーはほぼ解決します。定期的なリポジトリメンテナンスで予防すれば、大規模プッシュも安心して行えます。