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ITMS-91053警告の解決方法：必須API宣言の追加

問題の説明

2024年3月以降、多くの開発者がAppleから次の警告メッセージを受けるようになりました：

ITMS-91053: Missing API declaration - Your app’s code references one or more APIs that require reasons...

この警告は2024年5月1日以降必須となり、主に以下のAPIカテゴリに関するものです：

NSPrivacyAccessedAPICategoryFileTimestamp
NSPrivacyAccessedAPICategorySystemBootTime
NSPrivacyAccessedAPICategoryDiskSpace
NSPrivacyAccessedAPICategoryUserDefaults

この問題は、Appleが強化したプライバシー保護政策によるものです。特定のAPIを使用する際は、その利用理由をプライバシーマニフェストファイルで宣言する必要があります。

重要

2024年5月1日以降はこの対応が必須となり、適切な宣言がないとアプリの更新や新規提出が拒否されます。

根本原因

アプリまたは依存ライブラリがAppleの「理由が必要なAPI」を使用している
PrivacyInfo.xcprivacyファイルが存在しない、または適切に設定されていない
サードパーティSDKが未対応のバージョンを使用している
アプリ拡張機能に対して宣言が不足している

解決方法

基本対応：プライバシーマニフェストの作成

Xcodeで新規ファイルを作成：「File」＞「New」＞「File...」
「Resource」セクションから「App Privacy」を選択
ファイル名をPrivacyInfo.xcprivacyとし、ターゲットをメインアプリに設定

画像ガイド

プライバシーマニフェストの作成

宣言内容の追加例

xml

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
    <key>NSPrivacyAccessedAPITypes</key>
    <array>
        <dict>
            <key>NSPrivacyAccessedAPIType</key>
            <string>NSPrivacyAccessedAPICategoryUserDefaults</string>
            <key>NSPrivacyAccessedAPITypeReasons</key>
            <array>
                <string>CA92.1</string> <!-- 設定値の保存/読み込み -->
            </array>
        </dict>
        <dict>
            <key>NSPrivacyAccessedAPIType</key>
            <string>NSPrivacyAccessedAPICategorySystemBootTime</string>
            <key>NSPrivacyAccessedAPITypeReasons</key>
            <array>
                <string>35F9.1</string> <!-- 経過時間の計算 -->
            </array>
        </dict>
        <dict>
            <key>NSPrivacyAccessedAPIType</key>
            <string>NSPrivacyAccessedAPICategoryDiskSpace</string>
            <key>NSPrivacyAccessedAPITypeReasons</key>
            <array>
                <string>E174.1</string> <!-- ストレージ最適化 -->
            </array>
        </dict>
        <dict>
            <key>NSPrivacyAccessedAPIType</key>
            <string>NSPrivacyAccessedAPICategoryFileTimestamp</string>
            <key>NSPrivacyAccessedAPITypeReasons</key>
            <array>
                <string>C617.1</string> <!-- ファイル管理 -->
            </array>
        </dict>
    </array>
</dict>
</plist>

理由コードの適切な選択方法

APIカテゴリ	推奨理由コード	使用目的
`UserDefaults`	`CA92.1`	ユーザーデバイス上の設定保存
`FileTimestamp`	`C617.1`	ファイル管理機能の実施
`SystemBootTime`	`35F9.1`	経過時間の正確な計測
`DiskSpace`	`E174.1`	ストレージ残量チェックと最適化

絶対にコピーアンドペーストせず、Apple公式ドキュメントで実際の用途に合った理由コードを選択してください。

警告

無関係な理由コードを追加すると審査が拒否される可能性があります。

フレームワーク別対応策

1. Flutterアプリケーション

ios/Runner/ディレクトリにPrivacyInfo.xcprivacyファイルを配置
Xcodeでファイルをプロジェクトに追加し、ターゲットをRunnerに設定

2. Xamarin/MAUIアプリケーション

プライバシーマニフェストファイルを作成
ビルドアクションをBundleResourceに設定
xml
```
<BundleResource Include="PrivacyInfo.xcprivacy" />
```

3. Reactive Native/Expo

公式ドキュメントに従い設定
app.jsonでネイティブモジュールのプライバシー情報を設定

サードパーティSDK対応

依存ライブラリが原因の場合の対応：

ライブラリのバージョンアップデート：
bash
```
pod update [ライブラリ名]
```
手動でプライバシーマニフェストを追加：
- SDK用に個別のPrivacyInfo.xcprivacyファイルを作成
- ターゲットをSDK名に設定（例：Alamofire）
互換性チェックツールの活用：
- William-Weng/PrivacyInfoDemoなどで依存関係をスキャン

よくある落とし穴と解決策

警告が消えない場合：
- 全てのアプリ拡張機能（Notification Extension等）に個別のPrivacyInfo.xcprivacyが必要
- ファイルのターゲット設定が正しいか再確認
Objective-Cライブラリの見落とし：
- 下記フィルタでAppleドキュメントを検索：
プライバシーレポートの生成：
- Xcode Organizerで「Generate Privacy Report」を実行
- 未宣言のAPIを特定

ベストプラクティス

早期対応：警告が出た時点ですぐに修正
定期的なスキャン：新しい依存関係追加時にプライバシーチェック
理由の適切性確認：アプリの実際の機能と理由コードを一致させる
マルチプラットフォーム対応：iOSとiPadOSで別々のチェックが必要

公式WWDC解説動画（Get started with privacy manifests）も参考にしてください。必要な宣言を適切に行えば、この警告は恒久的に解決できます。

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根本原因 ​

解決方法 ​

基本対応：プライバシーマニフェストの作成 ​

宣言内容の追加例 ​

理由コードの適切な選択方法 ​

フレームワーク別対応策 ​

1. Flutterアプリケーション ​

2. Xamarin/MAUIアプリケーション ​

3. Reactive Native/Expo ​

サードパーティSDK対応 ​

よくある落とし穴と解決策 ​

ベストプラクティス ​