Visual Studio Codeでのスペルチェック
問題の概要
Visual Studio Code (VS Code) でドキュメントやコードを書く際、スペルミスを検出する機能が標準では不十分です。特に以下のようなケースで問題が生じます:
- Markdownファイルの作成時
- コードコメント内のテキスト
- ダイアログボックス内のメッセージ
- 技術文書の執筆
外部エディタではGrammarlyなどのツールを使用できても、VS Code内では公式のGrammarly拡張機能が利用できないため、代替ソリューションが必要です。
推奨ソリューション
1. Code Spell Checker
最も人気のある選択肢
Code Spell Checker はVS Codeで最も広く使用されているスペルチェック拡張機能です。
主な特徴:
- コードとドキュメントの両方で動作
- プログラミング関連の単語を多数サポート
- 快捷鍵
Ctrl + .
で修正候補を即時表示 - カスタム辞書のサポート
インストール方法:
- VS Codeで拡張機能パネルを開く (
Ctrl+Shift+X
) - "Code Spell Checker"を検索
- インストールして再読み込み
便利な機能
Ctrl + .
快捷鍵でミススペルの単語を選択すると、修正候補が表示され、素早く修正できます。
2. Spell Right
Spell Right は多言語対応に優れたもう一つの優れた選択肢です。
主な特徴:
- 80以上の言語をサポート
- LaTeXドキュメントとの相性が良い
- プローズ(散文)のチェックに最適化
- 技術用語やカスタム辞書のサポート
使用シナリオ:
- 多言語ドキュメントを作成する場合
- 学術論文や技術文書を書く場合
- LaTeXを使用している場合
設定とカスタマイズ
カスタム辞書の追加
両方の拡張機能ともカスタム辞書をサポートしています。プロジェクト固有の専門用語や略語を追加するには:
json
// settings.json
{
"cSpell.userWords": [
"typescript",
"webpack",
"config",
"namespace"
],
"spellright.dictionary": [
"カスタム単語",
"専門用語"
]
}
言語設定
json
{
"cSpell.language": "en,ja", // 英語と日本語のチェック
"spellright.language": ["en", "ja"] // 多言語対応
}
ベストプラクティス
注意点
スペルチェッカーは完璧ではありません。文脈に依存する単語(特に技術用語)は手動で確認する必要があります。
- プロジェクトごとの設定: プロジェクトルートに
.cspell.json
ファイルを設置して、プロジェクト固有の設定を管理 - 無視リストの活用: 意図的なミススペルやコード識別子は無視リストに追加
- 定期的な更新: 拡張機能は定期的に更新され、辞書が改善されるため最新版を維持
まとめ
VS Codeで効果的にスペルチェックを行うには:
- Code Spell Checker:コードとドキュメントの両方で作業する場合の総合的なソリューション
- Spell Right:多言語対応やLaTeXドキュメントが必要な場合の専門的なソリューション
どちらの拡張機能も無料で利用でき、開発体験を大幅に向上させることができます。プロジェクトの要件に基づいて最適なツールを選択し、適切に設定することで、より正確でプロフェッショナルなドキュメントとコードを作成できます。