VSCode の Material Theme 自動アンインストール問題と解決策
問題概要
「'equinusocio.vsc-material-theme' に問題があるとの報告があり、アンインストールしました」という通知が VSCode 起動時に表示され続ける問題が発生しています。この通知は手動で拡張機能を削除しても表示され、VSCode が自動的に再インストールを試みる動作が見られます。
セキュリティ注意点
この問題は Microsoft による公式のセキュリティ対策に起因しています。元の Material Theme 拡張機能には難読化されたコードが含まれており、セキュリティ上の懸念があると判断されました。
根本原因
2025年2月、Microsoft は Material Theme 拡張機能を「問題がある」としてマーケットプレイスから一時的に削除しました。これにより、以下の状況が発生しています:
- VSCode が自動的に拡張機能をアンインストール
- 設定ファイルに残っている参照情報により、通知が繰り返し表示
- アカウント同期機能が拡張機能の再インストールを試みる
最新状況
現在、Material Theme はマーケットプレイスに再掲載されていますが、セキュリティ上の懸念から代替ソリューションの使用を推奨します。
解決方法
方法1: 手動での完全削除(推奨)
最も確実な解決方法は、拡張機能のファイルと設定情報を完全に削除することです。
# 拡張機能ディレクトリに移動
cd ~/.vscode/extensions
# Material Theme フォルダを削除
rm -rf equinusocio.vsc-material-theme-*/
# 拡張機能ディレクトリに移動
cd %USERPROFILE%\.vscode\extensions
# Material Theme フォルダを削除
rmdir /s equinusocio.vsc-material-theme-*/
次に、extensions.json
ファイルを編集します:
~/.vscode/extensions/extensions.json
を開くequinusocio.vsc-material-theme
に関連するエントリを検索- 該当するJSONオブジェクトを完全に削除
// 削除する対象の例
{
"identifier": {
"id": "equinusocio.vsc-material-theme",
"uuid": "dffaf5a1-2219-434b-9d87-cb586fd59260"
},
// ... その他のプロパティ
}
重要
ワークスペースやプロファイルを使用している場合、各ワークスペースの .vscode
ディレクトリ内やプロファイル設定内の extensions.json
も確認する必要があります。
方法2: 拡張機能ブロック設定の使用
VSCode 1.96 以降では、extensions.allowed
設定を使用して特定の拡張機能を完全にブロックできます。
- 設定を開く(Ctrl + ,)
- 「extensions.allowed」を検索
- 「settings.json で編集」をクリック
- 以下の設定を追加:
{
"extensions.allowed": {
"*": true, // リストにない拡張機能を許可
"equinusocio.vsc-material-theme": false // 特定拡張機能をブロック
}
}
この設定により、VSCode は該当拡張機能のインストールと実行を完全に防止します。
代替テーマの選択
セキュリティ上の理由から、元の Material Theme の代わりに以下の信頼性の高い代替テーマを使用することをお勧めします。
推奨代替テーマ
公式フォーク版(安全性確認済み):
- 拡張機能ID:
t3dotgg.vsc-material-theme-but-i-wont-sue-you
- マーケットプレイスリンク
- 特徴: 難読化コードなし、不要な機能削除、オープンソース維持
- 拡張機能ID:
Microsoft 公式テーマ:
- 拡張機能ID:
ms-vscode.Theme-MaterialKit
- マーケットプレイスリンク
- 特徴: 完全な信頼性、公式サポート
- 拡張機能ID:
Vira Theme(新バージョン):
- 開発者による完全な書き直し版
- 公式サイト
- 特徴: 依存関係なし、プレミアム機能
予防策とベストプラクティス
- 定期的な拡張機能の見直し: 使用していないまたはサポート終了した拡張機能は削除
- 信頼性の確認: インストール前に拡張機能の評価やissue情報を確認
- 自動更新の管理: 重要な環境では拡張機能の自動更新を無効化
- バックアップ: 重要な設定は定期的にエクスポート
まとめ
VSCode の Material Theme 自動アンインストール問題は、Microsoft のセキュリティ対策に起因するもので、拡張機能の完全削除と設定のクリーンアップにより解決できます。セキュリティを最優先し、信頼性の確認された代替テーマへの移行をお勧めします。
最終確認
解決後は VSCode を再起動し、問題の通知が表示されないことを確認してください。それでも問題が解決しない場合は、VSCode の再インストールを検討してください。